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地下鉄に乗って/浅田次郎 
2006.10.02.Mon [ 小説
地下鉄(メトロ)に乗って 地下鉄(メトロ)に乗って
浅田 次郎 (1999/12)
講談社

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永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは30年前の風景。

真次ら家族に大きな影を落とす、父に反発し自殺した優秀な兄。
しかしその風景の中にはまだ、一人の青年としての兄の姿があった。
過去は変えることができるのか?

そして、地下鉄に乗る度に導かれる過去で、傲慢で相容れないと反発し続けた父の姿を見た真次は・・・


吉川英治文学新人賞を受賞した、浅田次郎の原点とも言える作品、だそう。

もちろん映画化されるからというのもありますが、どちらかと言うと「流星ワゴン」の解説で言及されていたのが気になって読んでみました。

どちらも、
タイム・トリップ、SF的な要素が盛り込まれながらも、過去が「もう戻れない・巻き戻せない」ものとして描かれている。
そして「父と子」の物語である。

という点で共通しています。

胸が苦しくなるような切なさを覚える過去。
それを変えることはできない。
けれど、これから続く現在は変えることができる。

そんな切なさ・懐かしさと、どこか清々しく吹っ切れたような希望の残るラストの印象には通じるものがありました。

どこが違うかと言えば、一番大きな違いは「時代」だと思います。
遡っていく時代が、「地下鉄に乗って」の方が古い。
迷路のような地下鉄のネットワークの中、戦後の混沌とした時代、そして戦時中へと遡っていきます。

もう私の親世代でも伝え聞くことはできない、祖父母の生きていた時代。(浅田さん自身が私の親と同世代なので当然ですが)
その時代を生きてきた主人公の『父』の姿には、読んでいて思わず涙が零れました。

ただ、これまた女性関係で「えええー!?そりゃないよ」と個人的には驚く展開がありまして、最後そこはスッキリしなかった(笑)

好みの違いはありますが、『流星ワゴン』の方がより痛いほど細やかに心情が描かれていて、こちらの方がダイナミックに物語の展開を楽しめると思います。

さすが!と思わず唸る一作でした。

昔の『東京』を知る方なら、より一層の懐かしさに胸を打たれるのではないでしょうか。
うちの母も下町っ子だったのですが、『銀座』のここはああだったこうだったと話す時、とっても嬉しそうな少女みたいな顔になる。
そんな母の脳裏に浮かんでいた風景が見えるような、私まで懐かしさを感じてしまうような場面がいくつもありました。

あんな風景が再現されるなら、映画も見てみたいな。と思わされた。
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